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CFDコラム

金の今後を読む上でのポイント

金の今後を占う上で、まずこれまでの金の歴史をまとめてみることにします。

Gold現在地上に存在する金は約12万トン程度。
金価格は1944年のブレトン・ウッズ体勢発足から1971年のニクソン・ショック(金とドルの兌換停止)までは1トロイオンス(約31.1035g)=35ドルに固定されていました。
ちなみにドル円も1ドル=360円に固定されていました。

その後、通貨制度が変動相場制に移行したために金の価格もまた変動するようになりました。

その後1970年代のオイルショックに伴うハイパーインフレや中東戦争緊迫化、さらにソ連のアフガン侵攻などを背景に金投資が活発化したことで、80年初頭に史上最高値をつけました。
日本国内では、1グラム=6,000円以上になったことがあります。

その後、1990年代には金準備を保有している公的機関の金売却が金価格を圧迫し、下がり続けました。



1999年8月には、NY金先物価格で252.5ドル、日本の金先物市場では1グラム=836円まで下落。


当時、イギリスの政府の金売却がよく取り上げれていました。
こんな安値で売りたたいていたのですから、現在、イギリス政府も反省しているということを何かで見ました。


そんな中、1999年9月末には欧州15カ国間でワシントン協定が締結され、5年間の年間金売却総量を400トンに抑えることで合意に達しました。


1999年8月の最安値を底にして金価格は上昇基調を続けます。
当時、金投資に多くの人は悲観的で400ドルになるという見方も馬鹿にされる状況。

さらに2004年3月には同協定がさらに5年間更新されることが決定し、金売却の上限も500トンに増やされました。


道中、
1.9.11ショックやイラン侵攻、イラン・北朝鮮情勢の緊迫化など『地政学リスクの高まり』
2.原油価格高騰によるインフレ懸念やオイルマネーの流入
3.金ETFの拡大
4.米国双子の赤字を背景にしたドル安の影響
5.インデックスファンドなどファンドマネーの流入など

これらの流れを受けて、昨年、NY金先物価格は1,014ドル、日本金先物価格3,363円まで上昇しました。

NYgold-mc.JPG

途中、リーマンショックで水をさされたが、他の金融資産に比べると下落は限定的でした。

ワシントン協定の満了は、2009年9月26日。まだ、詳しい話は聞こえてこない。

一方、需要だが、2008年まではインドが世界最大の金需要国で、GFMSの発表によれば2008年度の年間需要は637トンで、全世界の需要の約22%を占めるほどの消費国だった。
インド国内では、銀行にお金を預ける習慣がなく、お金は金に換えると聞いたことがある。


インドは今年の1-3月期に前年度に比べて87%(17.7トン)に落ち込み、輸入量はほぼゼロということ。
現在のドル建て金価格の上昇にインド通貨ルピー安による現地通貨換算の価格の上昇が影響している。


また、今月上旬にインド政府は金の輸入関税を2倍に引き上げると発表している。
(従来の10グラム100ルピーから10グラム200ルピー(約4.12ドル)への引き上げ)


今後だが、インドでは、9月~11月に金の需要が増加する傾向があります。
8月以降に本格化するフェスティバルシーズン入りを前の時期にあたり、通常金需要が盛り上がります。


今年1-3月期の中国の需要が2%増加した105.2トンに達した結果、今年の中国需要はインドを追い抜きそうです。



結論として、本日の話題だけから考慮すると今後の金のポイントは、下記のようになります。

1.ワシントン協定の期限は延長か?
-各国政府は金融危機の影響で相当の資金需要があるということも考慮すべき。

2.インドの需要の動向
-通貨ルピーの行方
-インド経済動向

3.中国の需要の動向
-ドル資産離れによる政府としての金準備動向
-通貨元の行方


悩ましいですね。



2009年7月17日現在の金価格:  
937.2ドル(NY金)  2848円(金先物)

2009年7月17日16時現在の現物金価格:
買取価格;2,933円、小売価格;3,006円  田中貴金属



金CFDの仕組みはこちらを参考にしてください。     >>各社CFD取引要綱




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